嘘だろッ!52 嘘だろッ目次


 課長の愛撫を受けている天道寺になのか、天道寺に欲望をみせる課長になのか、それとも二人を止められない自分になのか、何に対しての怒りかも認識出来ないほど、激憤状態だった。
 俺は、繋がられたまま、暴れ出していた。
 手錠を嵌められている手を、二人を引き離したくて伸ばすが届かない。
 無理矢理手錠から手を抜き取ろうと、上下に振り下ろしたり、鎖が外れないかと、引っ張ったり、出来る限りのことを試みた。
 手首が手錠に擦れ、皮が捲れてもお構いなしに、暴れていた。
 なんとしても、その先に進ませたくなかった。
 しかし、俺の動きは無視され、課長の舌が天道寺の乳首を転がし始めた。

「…あぅ…、真司っ…」
「コリコリして、イイ感触だ。ヤッパ、久野には勿体ない身体だ」 

 立ったままの天道寺の胸から腹へと課長の舌が這い降りていく。

「どうだ、雪。久野に見られていつもより、興奮しているんじゃないのか?」

 課長の手が天道寺のベルトに掛かる。
 シュッとベルトを抜くと、ファスナーを開け、下衣をずらすと天道寺の雄を取り出した。

「ふん、思った通りだ」

 既に天道寺の雄は反り返っていた。
 それを目にした途端、人参を取り除かれ、空洞になった内壁が、ヒクッと小さく動いた。

「…真司…、早く…食え…」

 課長が、跪き、天道寺のモノを口に含んだ。シュポシュポと、音を立て荒々しく口淫を始めた。

「ァあっ……イイ…、」

 上半身を仰け反らせながら、天道寺が俺の方を向いた。
 俺は相変わらず、手錠と格闘中だったが、天道寺の視線に、思わず動きを止めてしまった。 
 俺に見せつけるように、天道寺が課長の頭に手を置き、快感を堪能している。
 洩れる荒い息が、快感の強さを示していたが、俺を見る目からは、雫が溢れていた。
 それが、俺には快感によるものだとは思えなかった。

「…真司ッ…、ソコ…あっ…イキそう…」
「まだ、イかせない」

 課長が口を離し、天道寺の根元を握った。

「うっ、…この、バカッ」 

 課長が自分のネクタイを外すと、天道寺の根元を縛った。そのうえで、天道寺の下衣を全て足元に降ろした。 

「俺がイかねえと、意味無いだろが。ナニ、自分だけ、気持ちよくなってるんだよ。ほら、四つん這いになれ。…おっと、ケツを久野に見せつけてやるんだ」

 本気だ。本気で課長は天道寺に突っ込むつもりなんだ。

「嫌だっ、やめてくれっ! 課長っ!!!」 

 天道寺が、俺に尻を向けて、四つ這いになる。美しい大型犬が、服従しているようだ。
 課長に自分の尻を差し出す天道寺は、ゾッとするほど、美しく、艶めかしかった。 
 俺の叫びなど一切無視して、課長が自分のズボンをずらし、一物を取りだす。
 昨夜、俺の中に埋め込んだソレを、天道寺の中に埋め込もうとしていた。

「指で馴らすなんて、可愛いことはしなくても問題ないよな」

 いきなりぶち込む気らしい。
 天道寺の尻を左右に割り開くと、先端を押し当てた。ビクンと、天道寺の身体がしなる。

「お前、俺のこれ、嫌いじゃないだろ。昨日はガキの中だったんで、今日は雪ので、慰めてやってくれ」 
「逃げろよっ、嫌がれよっ、天道寺っ! 課長なんか好きじゃないんだろ! 酷いよ、セックスできれば、誰でもいいのかよっ!」 

 手首の痛みを感じる暇もなかった。

「ぅるせぇ、ガキだ。誰の為に雪が身体張ってると思ってんだ。それが、分からないガキは黙って、大人の行為を見てろっ!」 

 手錠が外れないなら、鎖を外そうと、痛みを無視して、持てる力全てを振り絞って、手錠を引っ張った。
 課長が先端を天道寺にめり込ませた。

「…んっ」

 天道寺から苦痛に満ちた声があがる。いくらなんでも、いきなりは痛かったはずだ。

「課長が、脅すからだっ!」
「アホぬかせ。通報されて困るようなことする雪が悪いんだ。雪、そうだよな?」

 更に課長の腰が前に進んだ。

「…あぁ…拓巳…、見てればいい…」
「見てられるかっ!」
 
 俺の叫び声と共に入った馬鹿力で、手錠から鎖が外れた。そのまま、俺は課長に体当たりした。

「わっ、」

 課長の身体が天道寺から離れ、床に転がる。

「俺は、ココにいる。自分から、ここで、飼われてやるっ!居たくているんだから、通報したけりゃ、しろ! 何の問題もないっ!」 

 四つん這いのままの天道寺に負ぶさって、俺は叫んでいた。

「あるだろ。問題はあるぞ、このアホが思いきりド突きやがって。理由はなんだ? 俺が雪に突っ込むのが、そんなに嫌か?」
「嫌に決まってるだろっ!」
「決まってないだろうが、このドアホ。雪が嫌いで俺の所に転がり込んだくせに、何言ってるんだ?」
「嫌いじゃない! 天道寺に課長が触るのはダメだっ!」
「はん、ガキの独占欲か? それで、俺が引くとでも思ってるのか?」
「違う! そうじゃないっ!」


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