嘘だろッ!47 嘘だろッ目次


「そうやってまた嘘を付くのですね。いいでしょ。久野君が正直に話してくれないなら、もう、訊きません」

 良かった、とホッとする間もなく、天道寺が次の行動に出た。
 俺のベルトを外すと、ズボンのファスナーを降ろし、一気に下衣を剥いだ。
 下半身だけ、スッポンポンの間抜けな状態で、手首を繋がれベッドの上だ。
 コロッと転がされ、俯せにさせられると、腹部の下に枕を二つ置かれた。
 枕の高さ分だけ、腰の位置が高くなっている。

「止めて下さいっ! 天道寺さん、何をする気ですか?」

 自分が怒りに任せて天道寺を襲ったからといって、天道寺がそんなことするかどうか分からないのに、俺は同じような目に遭わされるとしか、思えなかった。
 俺の問い掛けに、天道寺は何も答えないで、俺の尻を割り開いた。

「止めてくださいっ! 止めろよ…」

 目一杯開かれ、さらけ出された秘部。
 そこに天道寺の視線を感じる。
 真っ赤に腫れ上がっているであろう、ソコを天道寺に見られ、この上ない羞恥が俺を襲う。
 よりにも寄って、課長に突っ込まれた痕を天道寺に見られるなんて、最悪だ。

「…もう、止めてくれ。見るなよぅ」

 突然、温かいものを感じた。
 ポタッ、ポタッと、温かな水分が、ちょうど窄みの中心に落ち、腫れた入り口に染みた。
 何事だと、天道寺を振り返って見ると、天道寺が泣いていた。

「…こんなことを許すために、君を…手放したんじゃない……」
「天道寺さん?」
「……本気…なんですか…、本気で真司と…」
「課長は、関係ないっ!」
「じゃあ、誰が、君のココに突っ込んだって言うんですか?通りすがりの誰かとでも言うつもりですか? 真司の他に誰がこんなになるまで…」

 泣きながら、怒っていた。

「…課長…ですけど…でも、違うんです」
「ほら、やっぱり嘘を付いてたんじゃないですか。いつから、真司と? 俺を襲った後からですか? 俺が、君を抱かなかったから? 君はゲイではないんじゃ、なかったのですか? それとも、俺とのことで、味を覚えて誰でも良くなったとか?」

 酷い言われようだ。
 天道寺のことが忘れられないのは本当だが、それとこれとは別じゃないか。
 ゲイじゃないけど、昨夜のことは不可抗力だ。

「…気持ちいいことに男女差がないと言ったのは天道寺さんじゃないですか…俺が、課長と何があったからって、責められる理由はないっ! それに…」
「何ですか? 言いたいことがあるなら、この際、全部言えばいい」

 染みる。天道寺が涙を止めようともしない。
 泣きながら、俺に応戦している。
 視線がずっと腫れた孔にあるのか、まるで狙っているように塩分を含んだ水分が落ちて来る。
 染みた部分が痛痒く、孔がひくつき始めた。

「天道寺さんだってっ、課長に突っ込まれてたくせに、俺だけを責めるなんて、酷いっ!」

 孔にポタポタっと落ちる水滴の速さが加速した。
 剥き出しの尻を上げた格好で、必死になって天道寺を責める俺の姿の滑稽さもさることながら、こんな時に天道寺の涙に反応して収縮を始めた自分のケツの孔が、情けなかった。

「…あいつとは、古い関係です。昔、付き合っていたことがあります」
( 天道寺と課長の話は、同人誌「嘘じゃないッ!」にて掲載 イベント会場またはコミコミスタジオさまにてどうぞ)
 
 突然、天道寺が課長との関係を暴露した。
 薄々、気付いてはいたが、ハッキリと告げられると、胸にドスンと重い物がのしかかった。

「課長の恋人だったんだ…」
「俺はそのつもりでしたが、向こうはセフレのつもりだった。だからって今更、あいつ相手に快楽を得たいとも思わない。嫌なことを思い出すだけだ…」
「だったら、何故、寝たんだよっ!」
「答える義務はありません」

 あるだろっ。俺を責めるんだったら、答えなきゃ、おかしいだろう?

「じゃあ、俺のこと、アレコレ詮索するなよっ! 課長と何があろうと、それを隠してようと、俺の勝手じゃないのかよ。なのに、なんだよ、手錠で繋いで、ケツ剥いて」
「…好きです」

 はい? スキデスって、聞こえた…
 嘘だ…、嘘だろっ!
 聞き間違いを正そうとする前に、孔にヌメッとした物を感じた。
 うっ、どこ舐めてるんだよ…

「俺は、久野君が好きなのです」

 天道寺が、言葉の間に俺のひくつく孔を舐める。イヤ、それどころじゃない。
 聞き間違いじゃなかった。
 好き、と言われてる。
 天道寺が俺のこと好きだと、言っている。

「だから、俺はあいつが、久野君を犯るなんて、許せない。遊びでも、本気でも…あいつが本気の訳ないっ。どうして、あいつなんかとっ」

 天道寺の両手が、更に尻を左右に押し広げ、空洞を覗かせる孔に、今度は舌を差し込んできた。
 
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