嘘だろッ!13 嘘だろッ目次 |
俺の尻の横からヌルッと天道寺の手が入り込み、その指が肛門をグイグイと押している。 立ち上がろうとしたら、天道寺の長い足が俺の足に絡んできて立てない。 「どこって、ここの名称知ってるでしょ?」 「そういうコトじゃないです! どうして、そんな所、触るんですかっ!」 「どうしてって、手伝ってもらうためですけど?」 「……まさか…天道寺さん……違いますよね……ハハハ、そんなこと…あるはずない……いや、できるはずない……ハハハ」 肛門に触れられたことで、俺は初めて天道寺がバイだということを思い出した。 バイとは男とも寝るということだ。寝るとはつまり、ソコ使うってことだ。 俺だって、それぐらいの知識はある。でも、まさか、そこまでは同居人相手にしないだろう。 しないと言ってくれっ! 「ここだと、後処理さえきちんとすれば、お腹下すこともありませんし、俺の技術を持ってすれば、久野君も気持ち良くなりますし、一石二鳥です。慣れるまで多少の痛みは伴いますけど」 「それって、俺の肛門を口代わりに使うってこと…ですよね…」 「はい、そういうことです。ああ、良かった、久野君の方から『何でも手伝う』と申し出て頂いて。フェラも未経験だった久野君が、ここを使用したことがないのは想像できますから、自分からは言い出しにくくて」 嘘だっ、嘘だっ、俺から言うように仕向けたんだっ! 俺は純粋に「お手伝い」と思って言ったんだっ! 「…でも…俺…、恐いし…出来ないと思います…俺、ゲイじゃないし…きっとご迷惑をおかけするんじゃないかと……」 相変わらず俺のケツの穴を天道寺の指がプッシュし続けている。 中に入って来そうで俺はキュッと力を入れていた。 「心配いりません。口より楽ですから。それに天国へ続く快感を味わってみたくないですか? 気持ちいいこと好きですよね?」 「そりゃ、好きですけど…」 「女性はね、男性よりも快感の度合いが強いと言われています。出産で痛みを伴いますから、神様からのご褒美かもしれませんけど。そんな女性でも膣だけの刺激では物足りなくてわざわざアナルを使用する人もいます。男性には膣を使った快楽は体験できませんが、アナルなら出来るでしょ? どんな凄い快楽が待ち受けているか体験するのもいいのではないでしょうか? もちろん体験出来ずに一生を終える気の毒な男性が数多くいますが、チャンスがあるのなら体験してみたくないですか?」 「でも、ソレって…セックスになるんじゃ」 ゲイのセックスだろ? 気持ちいいからって安易にするものじゃないだろう? 「面白いこと言いますね。久野君は俺と付き合っていますか? 俺の恋人ですか?」 「違いますっ!」 思わず叫んでしまった。 「そんなに力入れて否定してくれなくても。そう、俺たちは恋人同士ではないので、セックスだって構える必要はないでしょ。あくまでも性欲処理ですから。セックスと思ってした方が久野君が楽しめるのならそれでも構いませんが」 「楽しめませんっ! 性欲処理で結構です」 「じゃあ、問題ありませんね」 問題ないのか? あるような気がする…でも、問題点が見出せない。 「…あの…、本当に気持ちいいのでしょうか? 俺が気持ち良くて手伝いしたことになるのでしょうか?」 「ええ。気持ちよさは保証します。熟練の腕を信じて下さい。慣れるまで痛みも伴いますが、男なら耐えられますし、最初の痛みを味わっても余りある快感がありますから。もちろん、俺も久野君の身体でスッキリできるのですから、お手伝いになりますよ。久野君は口の時と違って何もしなくてもいいのです。マグロで構いませんので」 嘔吐くような苦しさがなく、顎を動かしたりしなくてもいいってことだよな。 ただ天道寺に任せておけばいいってことだよな…未知の快感があるのか…… 「二人で楽しい処理をしましょう。ココはもう、興味を示しているようですよ?」 天道寺の指が、肛門の周囲の刺激を続けるので、むず痒くなってきて、穴が時々ピクッ、ピクッと痙攣している。 「この先に進みましょう…久野君」 駄目だ…断る理由が見つからない。うっ、情けないが、好奇心の方が勝っている… 俺は天道寺に挟まれたまま、コクリと首を前に倒した。 「ありがとう、久野君」 チュッと、後頭部にキスをされた。 ああ、もう深く考えるのはよそう。手伝いぐらいできるに違いない。 口に入れるより、マシな気がした。だって、気持ちいいんだろ? 「では、早速」 「えっ?」 ま、まさか、今から? 心の準備が――… 天道寺の指が俺から離れた。バシャっと立ち上がると俺の腕を掴んだ。 そのまま脱衣場に連れて行き、あれよあれよという間に、自分の身体と俺の身体の水分を拭いた。 有無を言わさず、裸の俺を抱きかかえると、凄い勢いで天道寺の寝室へと運んだ。 |