嘘だろッ!調教編14 嘘だろッ目次 |
耳を強引にドア板に押し付けられた。 『――だいたい、あの節操なしを放し飼いにしているからこんなことになるんです。わざわざこんな画像を社内から送り付けてきたんですよ! ちゃんと見て下さい。私の訴えは間違ってますか? 立派なセクハラです』 ――嘘だろッ、天道寺!!! 専務に俺のアノ画像を見せているのか? 尻に指を突っ込んでる画像を??? 『…吹雪先生は……自分のことだと我慢するのに、彼のこととなるとヒートアップするようだね。良い傾向だよ…ははは…』 『彼?』 『その画像の彼』 …やっぱ、見せたんだ…。 あぁ、もう、ダメだ…社内だとバレバレだよな……首だ…首にされても仕方ない…… 『当たり前です。命ですから。今の私があるのも、今のデザイナー吹雪があるのも、全て拓巳の存在によるものですっ! 松野が二課で拓巳の上司でいる以上、拓巳は出社させません! それで彼がクビならクビで結構です』 ――結構じゃないッ! 「雪もひでぇよな。お前から職を奪う気だ。相思相愛になった途端、本性剥き出しにしたな、あのヤロウ。こうなること見越してわざとお前に貞操帯を装着したんじゃね〜のか?」 「違う! 天道寺は酷くないっ。悪いのは、あんただッ!」 顎にあった手を振り払い、体当たりで課長を突き飛ばした。 「失礼します!」 そのまま、ノックもせずに専務室へ入った。 「ちょ、拓巳〜…、あ、失礼します!」 中(あたる)も俺を追って、中に入る。 「久野〜〜、てめぇ、上司を突き飛ばしてタダで済むと思うなよ!」 と、課長まで入って来た。 「これはこれは、騒動の関係者、勢揃いですか」 俺達を確認した専務は、何故か笑みを浮かべていた。 |