人間未満 30人間未満目次 |
千明の変化に気付いたのは、隆司だけじゃなかった。 「なあ、最近中野って色っぽくねぇ?」 同じクラスの生徒が隆司に耳打ちしてきた。 「アホなことほざくんじゃねぇぞ!」 「お前、中野と仲いいのに、気付かないのか? 皆陰で言ってるぞ。その辺の女よりドキッとする表情見せるじゃん。中野なら、男でも勃起するんじゃねぇの? 時折、凄い気怠い表情するし。俺もヤバイ時ある」 隆司が耳打ちしてきた同級生の腹を殴った。 「ってぇなっ! 何するんだよっ!」 「俺は同性に色気を感じるようなホモ野郎は大嫌いなんだ。覚えておけ!」 吐き捨てると、隆司は教室を出て行った。 くそっ、こうなりゃ、千明の尾行でもするか? それじゃ、ストーカーだよな。 全て、「まさき」っていう女のせいだ。 屋上で一服しても、イライラが治まらない隆司は、旅行から帰ってきているリサに電話をし、ホテルに直行した。 「隆司、なんかぁ、あった? 今日、凄いんだけどぅ」 「別に。もう一回いいだろ?」 「んもう、擦れて痛くなっちゃった〜、学校で、何かあったとか〜?」 「別に」 「別に、ばっかりじゃ、わからない。中野関係?」 「別に。千明の話はしたくない」 「好きだって告白されたとか〜?」 「気持ち悪いこと言うなって、前にも言っただろ、このバカ女っ!」 「あっ、そ」 隆司の下にいたリサが隆司の急所に爪を立て、引っ掻いた。 「ぎぇっ! 何すんだよっ!」 「バカ女は馬鹿なことするに決ってるでしょ。さよなら、隆司。せいぜい中野とおホモ達系の友情でも育めば? ホモ嫌いとか言いつつ、認めるのが恐いだけじゃないの? 実は自分が一番、その気があったりしてさっ、バカ男!」 急所に手をあて、呻(うな)っている隆司を余所に、リサはさっさと服を着て、ホテルの部屋を出て行った。 「…あの、クソ女っ! …インポになったら、慰謝料請求してやるっ。全くどいつもこいつも……クソっ、血が出てるじゃねぇか!……」 名前だけの夏休みが終わろうとしていた。 盆休みはあったものの、それ以外の平日はずっと課外授業で千明は学校に来ていた。 課外授業は、何も学校だけではなかった。 雅紀が暇なときは、いつも呼び出され、従順な奴隷としての教育が施されていた。 奴隷になった日に千明のペニスには皮のベルトが装着された。根元、中程、亀頭のくびれにと、計3本のベルトが渡っている。 しかも、尿道を塞ぐ細い金具が付いており、それを入浴と排尿以外の時間は常に差し込んでおくことを命じられていた。 排尿も自慰も、勝手にはできない。 どちらも、携帯で指示がある。特に自慰は、そういう気分でなくても、促された。 課外の休み時間にさせられた時もある。 その最中、携帯は常に通話状態で、耳元でどこを触れという細かい指示があり、量やそれがどんな味をしているのかまで報告させられた。 千明は、雅紀の精液の味同様、自分の味まで嫌というほど覚えさせられた。 学校の勉強、成績で教師に褒められたことはなかったが、雅紀の奴隷教育では褒められることも多くなった。 「良い子だ。よくできた。今度は自分でそれを注入してごらん。今日は二本だからね」 雅紀に尻を突き出す形でイチジク浣腸を自ら注入する。 いろんなサイズの浣腸を試されたが、イチジク浣腸は楽な方だった。 一本の中に入っている量が少ないので、液で腹が圧迫されることはない。 最初、器具を持ち込まれ、大がかりな浣腸が行われたときは、泣き叫び、結局四肢を拘束されたうえ、罰として浣腸後の冷や汗のでる中、腹部を蹴られた。 しかも、トイレではなく、雅紀が用意した洗面器の中に、雅紀が見ている前で排泄させられた。 こんな行為のどこが楽しいのか千明には全く理解出来なかった。 しかし、雅紀は限界まで耐える千明の表情がいいと言う。 排泄直前の、羞恥に満ちた潤んだ目がいいと言う。 |